商店建築 2020 April 号外
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いつも商店建築をご愛読いただき、ありがとうございます。
本日は、「号外メルマガ」の第2弾をお届けいたします。(第1弾「オフィス空間を考える」はこちらから。)
 
今日のテーマは、「家で学ぼう 〜新人教育におすすめの実務書&ビジュアル本」です。


さて、突然ですが、皆さん、映画は好きですか。
本題に入る前に、一つ映画に関するお話をさせてください。
皆さんは今日、このメルマガを、どこでご覧いただいているでしょうか。
ご自宅でしょうか、事務所でしょうか。当社も在宅勤務をしているため、私もこのテキストを自宅で書いております。在宅勤務をすると通勤時間が省略できるため、若干いつもより手持ちの時間が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
 
そんな時間を生かして、店づくりに関連する映画を観てみようと思い、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』という映画を観ました。
主人公は、マクドナルドをフランチャイズ化し多店舗展開したレイ・クロックという人物。クロックは、「成功(サクセス)」に対して尋常じゃない執念を持っていたようです。そのためならマクドナルドを創業したマクドナルド兄弟を裏切ることも辞さないという、強烈な人物で、こんな人が上司だったら、ちょっとイヤだなぁ、と思ってしまいました。。。
さて、この映画で、興味深かったのは、2種類の「合理化」が描かれている点です。
一つは、運営方法を合理化すること。マクドナルド兄弟は、厨房機器の配置を極限まで効率化したり、セルフサービスを導入したりと、オペレーションを徹底して合理化しました。
もう一つの合理化は、レイ・クロックが、多店舗化を模索する際におこなった、フランチャイズオーナーとの契約方法に関する工夫です。それにより、マクドナルドは、飲食業から不動産業へと変貌しました。
単なる一社のブランドストーリーを超えて、「マクドナルド化=合理化=近代化」とは何かについて考えるきっかけとなる面白い作品でした。
店づくりに携わる皆さんにオススメです。デザイナーさんなら、主人公たちがテニスコートで厨房の設計をするシーンにゾクゾクするんじゃないでしょうか。

さて、なぜ今日、この映画の話をしたかというと、この映画が「新人教育」に関連しているからなんです。マクドナルドが大規模に多店舗展開できた要因の一つが、人材の教育をほぼ必要としない運営システムを構築したことです。ハンバーガーをつくる工程は、まるで自動車工場のように細かく分解され、個々の作業をできる限り単純化しています。肉を焼く担当者はひたすら肉を焼くだけ、といった感じです。更に、ポテトも、揚げすぎないように、所定の揚げ時間に達したら、機械で自動的にポテトを油から引き上げる。そんな仕組みまで導入しています。だから、新しいスタッフが入店しても、マニュアルさえ読めば、その日から仕事ができる。
 
しかし、皆さんの設計事務所では、こんなふうに「人材の教育がほぼ必要ない」「熟練の技術が必要ない」なんていう業務システムにできるでしょうか。難しいですよね。設計という業務は、とても複雑で人間的なものだと思います。長い時間をかけて多くの知識と経験を身に着けて、徐々に熟練してくる。
つまり、皆さんの設計事務所にとって、人材こそが、最も重要な資産なのではないでしょうか。だからこそ、新人をどう育て、良い人材に育てていくかは、とても大切な要素ではないかと思います。

すみません、ずいぶん前置きが長くなりましたね。
そんなわけで、「号外メルマガ」の第2弾は、「家で学ぼう 〜新人教育におすすめの実務書&ビジュアル本」です。
皆さんの中にも、「この春から新入社員が入ってきたのに、テレワーク実施中で新入教育をしてあげる余裕がない」という方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
新人さんのほうでも、「入社したら、ボスや先輩からいろいろ学ぼうと思ったのに、在宅勤務の期間中で、ほぼ出社できない」なんて不安を抱えているかもしれません。
大丈夫です。
ご安心ください。
私たち出版社として、今何ができるかと考えた時、まずは新人の皆さんが自宅でも独学できる参考資料をご紹介するのがよいのではないかと考えました。
それが、本日のメルマガの目的です。
 
 
では、インテリアデザイナーの皆さんに教科書として使っていただけそうな資料を、テーマごとに整理してご紹介します。まずは、興味あるテーマだけチェックしていただけたらと思います。

【インテリアデザインのトレンド】
勉強の手始めに、まずはインテリアデザインにおいてどんなことがテーマやトレンドになっているのかを大づかみに体感してください。それには以下がオススメです。

商店建築2020年1月号 商店建築2020年1月号

2019年12月28日発売 2,138円(税込)    

「デジタルテクノロジー」「居場所」「コミュニケーション空間」といった、今重要性を増しているテーマを軸に1冊を構成しました。
商店建築2020年2月号 商店建築2020年2月号

2020年1月28日発売 2,138円(税込) 

巻頭の新作特集で、「渋谷スクランブルスクエア」「横浜ハンマーヘッド」「クルックフィールズ」といった、時代性を感じられる最新プロジェクトを取材しました。
なお、寿司店の「カウンター図面集」も、教科書としてお役立ていただけます。
増刊号『GOOD DESIGN HOTEL』シリーズ 増刊号『GOOD DESIGN HOTEL』シリーズ



新型コロナの影響でホテル業界は苦境に直面していますが、空間デザインの大きなトレンドは、やはりホテルのデザインに表れてきます。
●GOOD DEISNG HOTEL
3,300円(税込)
・コンラッド大阪
・PARK HYATT GUANGZHOU
・ホテルアンテルーム京都 他

●GOOD DEISNG HOTEL vol.2
3,565円(税込)
・MUJI HOTEL SHENZHEN
・hotel koe tokyo
・星野リゾート OMO5 東京大塚 他




【インテリアデザインの歴史を知る】
トレンドを体感すると同時に、歴史を知ってこそ新しいデザインを生み出すことができます。

商店建築 2019年8月号 商店建築 2019年8月号

2019年7月28日発売 2,138円(税込) 

特集「ホテルで振り返る、インテリアデザイン史」では、これまでのエポックメイキングなホテルのデザインを年表で振り返りました。
商店建築 2019年9月号 商店建築 2019年9月号

2019年8月28日発売 2,138円(税込) 

特集「タイムレスな店舗デザインを求めて」は、トレンドだけに流されず、普遍性を備えた、長く愛されるインテリアデザインは可能かを、多くのデザイナーと共に模索しました。
連載「日本商空間デザイン史」 連載「日本商空間デザイン史」



商店建築2019年1月号から連載中の「日本商空間デザイン史」では、デザインジャーナリストの鈴木紀慶さんが、独自の視点で、インテリアデザインの歴史を紐解きます。




【カフェ】
1990年代後半からのカフェブームは、いつしかスタンダードとなり、近年ではサードウェーブコーヒーや、他業態との融合で、素敵なカフェやコーヒースタンドは、あらゆる街で見かけるようになりました。カフェは、インテリアデザイナーの皆さんにとって重要な主戦場です。

商店建築2019年12月号 商店建築2019年12月号

2019年11月28日発売 2,138円(税込) 

「カフェ&コーヒースタンド」特集です。読者の皆様からのニーズが高い、カフェとコーヒースタンドの最新事例を集めました。後半は「テイクアウトショップ特集」です。食パン、チーズタルト、タピオカ、ソフトクリームなど、単品メニューによる専門性の高いフードショップを紹介します。
商店建築2019年6月号 商店建築2019年6月号

2019年5月28日発売 2,138円(税込) 

気軽に立ち寄れる飲食空間と題し、カフェやコーヒースタンド、ワインバー、ビアバー、角打ちなど、サクッと、気軽に、気楽に、美味しいお酒と気の利いた料理を楽しめる、カジュアルな飲食店を集めました。また、昨年最も話題になったカフェ「STARBUCKS RESERVE ROASTERY 東京」を掲載しています。
カフェ開業 パーフェクトマニュアル カフェ開業 パーフェクトマニュアル

2018年1月16日発売 3,565円(税込) 

カフェを開業するにあたり、オーナーさんと設計者さんに知っておいてほしい内容をコンパクトにまとめた1冊です。
・コーヒー抽出方法と機器選定のポイント
・カフェコンセプトの設定方法と進め方の手順
・多様化するカフェ、ニューウェーブまで業態事例集20 など
増刊号『good design cafe』シリーズ 増刊号『good design cafe』シリーズ

各2,200円 (税込)

カフェに特化して分かりやすく資料を整理した、好評の増刊シリーズ
●good design cafe
サードウェーブコーヒーから和カフェまで50件
・%ARABICA kYOTO aRASHIYAMA
・KAWAII MONSTER CAFE 他

●good design cafe vol.2
クラフトチョコやベーカリーを交え50件
・artless craft tea & Coffee
・家と庭 他

●good design cafe vol.3
コーヒースタンドからロースタリーまで50件
・猿田彦珈琲 調布焙煎ホール
・DIXANS JINBOCHO 他

カフェも含めて、もっと広い視点で業態別に飲食店の設計手法を把握するには、以下の図面がメインの実務書シリーズをご活用ください。

飲食店の企画プロデュース 資料作成と設計チェックリスト 飲食店の企画プロデュース 資料作成と設計チェックリスト

2016年4月1日発売 4,290円(税込)

立地条件から人の配置、メニュー構成と採算、出店区画の動線計画などデザイナーが配慮すべきポイントを詳説。企画書のまとめ方と実例も掲載。
ISBN978-4-7858-0343-8
スケッチから学ぶ 新しい飲食店づくり スケッチから学ぶ 新しい飲食店づくり

2012年4月1日発売 4,085円(税込)

カフェ、レストラン、居酒屋など、30業種に及ぶ飲食店の企画コンセプトについて、120枚のスケッチと図面をもとにポイントを解説。
ISBN978-4-7858-0336-0
新しい飲食店づくりAtoZ 新しい飲食店づくりAtoZ

2011年4月1日発売 4,085円 (税込)

実践に活用できるように数値や指標、参考図面を掲げた、デザイン学校の学生、あるいはこれからの店舗デザイナーを志す人たちのための入門書。
ISBN978-4-7858-0332-2
店舗設計製図講座 店舗設計製図講座

2008年4月1日発売 3,520円 (税込)

初心者を対象に、製図と設計の実務について記した入門書。店舗インテリア実例の図面なども掲載。 巻末には専門用語、現場用語集も収録。
ISBN978-4-7858-0318-6

【上級編】
最後に、ちょっと上級編です。
自宅で勉強しておく必要があるのは、新人さんだけではありません。
そうです、先輩として新人を指導する立場にある方々こそ、実は勉強が必要ですよね。
そんな皆さんは、設計の実務をひととおり身に着けていらっしゃると思いますので、更に設計業務に隣接する、クリエイティブ領域を押さえていただくと、日々の設計が、大きくステップアップするはずです。特に、インテリアデザインにおいて重要なのが、「照明」と「植物」です。
以下をお役立てください。

増刊号『Commercial Space Lighting』シリーズ 増刊号『Commercial Space Lighting』シリーズ



商業施設における照明計画および特注照明などを紹介するシリーズ。「空間デザインを昇華する照明計画」、「コンセプトを表現する特注照明」、「街並みに問いかけるファサード・ライティング」、「光を交えたインスタレーション」と四つの視点から光との関わり方を紹介。各号にインタビューやコラムも掲載し、ライティングにまつわる事例を、さまざまな角度から切り込みます。
●Commercial Space Lighting
4,400円(税込)

●Commercial Space Lighting vol.2 
4,070円 (税込)

●Commercial Space Lighting vol.3 
4,070円 (税込)

●Commercial Space Lighting  vol.4 
4,070円(税込)
増刊号『GREEN is』シリーズ 増刊号『GREEN is』シリーズ



商業空間を中心とした、植物と共にあるデザインを集めました。カフェ、レストラン、ショップ、ホテル、オフィスなどを、写真と共にコンセプト、豊富な設計・植栽データを交えて紹介。植物と共にある空間デザインに役立つ内容満載です。

●GREEN is ―植物と共にある空間デザイン―
3,362円(税込)
永山祐子さんと荻野寿也さん、大野力さんと齊藤太一さんの2組による対談形式でインタビュー「今、なぜ緑が求められるのか」も掲載

●GREEN is vol.2 ―自然を感じる空間デザイン ―
3,362円(税込)
シリーズ第2弾!「GYRE.FOOD」の設計を手掛けた田根剛さんへのインタビューや、「知っておきたい10のグリーンキーワード」なども掲載

長文メルマガとなりましたが、最後までお読みくださり、どうもありがとうございます。
私たちとしても、引き続き、この災禍の時期に皆さんにお届けすべき内容は何かを模索し、誌面やメルマガなどでお届けしていきます。
まずは、ご自身と周りの方々の健康に気をつけて、外出できない中でも何か実りや学びのある日々をお過ごしいただけたらと願っております。

月刊「商店建築」編集長 塩田


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